通常の牧舎式と放牧との大きな違いは、エサの自給自足と、土壌を育てることによってで炭素を溜め込むことができるか否かということです。
エサが自給自足できるということは、外部から餌を買わなくてよくなります。一般的に日本で使われている飼料は海外の大型ファームで作られたものを購入しています。大型ファームでは機械を動かし、大量の水を使って飼料を育てます。そのような過程の中で、二酸化炭素を吐き出し、水を汚すことも問題視されています。出来上がった飼料も船で運ばれるため、移動による二酸化炭素の排出にもつながります。それに対し、エサが自給自足できる放牧式では二酸化炭素の排出や水を汚す過程を減らすことができます。
また、草を食べた牛のフンを微生物が分解し栄養になることで土も肥えていきます。肥えた土から草が生え、牛が歩き回って踏むことでさらに強くなり、良い牧草地になります。
放牧は、この2点によって、通常の牧舎式よりも二酸化炭素の排出を抑え、土壌に炭素を蓄えることができるため、温室効果ガスの排出を抑制できると考えています。と、理論上はそうなるのですが、まだ我々は放牧式を取り組み始めたばかりであるため、本当に数値上そうなるのか、今後計測し、改善することで一歩づつ進めていきたいと考えています。